ミノキシジルの発毛原理が分かってきた
ミノキシジルで、毛母細胞の分裂を促進するタンパク質(FGF-7)が増加するので発毛することが分かった。
FGF-7は、別名KGF(Keratinocyte Growth Factor)、ヒトオリゴペプチド5(化粧品業界)と言われてます。
FGF(Fibroblast Growth Factor)は繊維芽細胞増殖因子のことです。
2つのミノキシジルの効果
ミノキシジルは2つの発毛に関係する因子を働かせます。
一つ目は、FGF-7という発毛因子(タンパク質)です。
ミノキシジルがFGF-7を発現
FGFには23種類のタンパク質が現在発見されています。
その中のひとつFGF-7は、毛母細胞の中に多く含まれ、その量が発毛能力を失ってしまった毛母細胞には著しく減少していた。
そして、このFGF-7を増やしてあげると発毛しました。
このFGF-7が発毛因子であることは確かです。
これで薄毛の全てが解決するとは言いませんが、このFGF-7をどのようにして増やすかというのが重要な課題であることは、間違いありません。
ミノキシジルの血管新生VEGF発現
そして、もうひとうの作用は血管新生VEGFを促進することです。
VEGFとは血管を新たに作る成長因子で、血管内細胞増殖因子と呼ばれます。
主な働きとして、頭皮内部の毛細血管を枝分かれさせながら、広範囲に張り巡らせるという働きがあります。
要するに、『血行促進』ではなく血管自体を増やし、毛根部に栄養を今まで以上に送れるようにして、髪を生やすというメカニズムです。
これはとれも大切な機能です。
生命活動は、血液が体をくまなく循環することにより健全に維持されています。
ですから、血管新生は様々な良い効果を人体にもたらします。
間違っていた血行が良くなる
ミノキシジルにより血流が良くなり発毛するなどと言う間違った情報が流布されていますね。
だいたいインターネットで流れる血流が良くなるから効果がでるという情報は、根拠なく書かれていて、ほぼ間違いに間違いない。
だらかそう言う情報を安易に流しているサイトは、読まずに他に移った方が良いですよ。
ミノキシジルの発毛効果は、FGF-7を作る作用であると言ってよいでしょう。
他にもあるFGF-7促進剤
ミノキシジルの他にもFGF-7を発現させるものがあります。
アデノシンです。
アデノゲンやアデノバイタルスカルプエッセンスなどの育毛剤に入っています。
アデノシンは、DNAを構成する4つの塩基のひとつです。
こんな構造をしています。
この塩基は、遺伝子情報を保存する役割だけでなく、アデノシン自身もいろいろな生体反応に直接関わっていることが分かってきました。
FGF-7の産生促進もそのひとつです。
直接FGF-7を塗れば良いのでは?
ミノキシジルやアデノシンなどの誘導物質でなく、FGF-7を直接塗った方が話しが早いと思われる方もいると思います。
しかし、次の2つの理由で実現されていません。
一つ目は、FGF-7の粉末は現在のところとても大変高価ことです。
高いので、臨床試験データも少ないのですが、粉末を被験者男女それぞれ10名髪に90日間塗布したところ、男性7名、女性9名に髪の増量が確認されました。
効果があることは、間違いないでしょう。
FGF-7が直接使われないもう一つの理由は、安定性です。
FGF-7を溶液化すると、活性が徐々に消失してしまうことが知られています。
活性化を保つためには、溶液化しないでフリーズドライ(凍結乾燥)した粉末にしなければなりません。
溶液にするとだいたい2週間で活性化が失われてきます。
ですから、育毛溶剤の溶液中に加えることができないのです。
使われるときには、活性がなくなってしまいますから。
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